健康法と聞いて思いつくのは食事、運動、睡眠や他様々な健康法が思い付きます。健康になるには正しい健康法を継続して行う事が必要です。継続させるには明確な目的が必要で、健康法は手段になります。もちろん健康な日々を過ごせる事がとても幸せで重要なことですが、それだけで毎日を過ごせるでしょうか?登山が好きになれば登山に行くことを目的とした健康法を継続できるでしょう。
登山には多くの魅力があります。これらの魅力は実際に登山を経験しなくては実感できません。登山は心身の健康に効果的で魅力あり、これは身をもって経験しなくては気付かないもので、体だけでなく、心も思想も価値観も全てを変えられる体験に間違いないです。
- 【自然との触れ合い】:登山は自然の中で行われるアクティビティです。山々の美しい景色や澄んだ空気、植物や動物たちなど、自然の豊かな恵みを肌で感じながら、自分自身と向き合う時間を過ごすことができます。
- 【健康に良い】:登山は有酸素運動になります。標高の高い場所で行われる場合は、酸素濃度が低くなるため、呼吸器や心臓のトレーニングにもなります。また、山でのトレッキングや登山は筋肉を使うため、体幹を鍛えることにもなります。
- 【ストレス解消】:自然の中での運動はストレス解消にもつながります。登山は、普段の生活とは違う環境で体を動かすため、気分転換やリフレッシュにもなりかます。
- 【成功体験を得られる】:登山は、山頂を目指しての挑戦です。自分自身を追い込み、限界を超えることで、達成感や充実感を得ることができます。
- 【仲間との絆を深める】:登山は、仲間と一緒に行うことが多いアクティビティです。一緒に頂上を目指す中で、仲間との絆を深めることができます。
登山と健康 〜体力の向上〜
基礎代謝の向上
登山は長距離、長時間歩く事が多いです。普通の道と違い、山道は不安定で平らではありません。そこを歩くことで普段使わない筋肉も使いながら足腰が鍛えられ筋力トレーニングの効果が期待できます。
下半身は大きな筋肉があり、鍛えることで脂肪の燃焼効果も上がり代謝も上がります。更に不安定な道の歩行はバランスを取る為にインナーマッスルを鍛えて引き締まったお腹まわりになっていきます。
登山は歩くだけで全身運動になり、有酸素運動に加えて筋力トレーニングにもなる運動なのです。
インナーマッスルは鍛えることで疲れにくい体になっていきます。継続して登山に行くことで筋力と体力が向上し基礎代謝が上がり、エネルギーの消費効率が上がります。基礎代謝を向上させることは沢山のメリットがあり、生活習慣病のリスクも抑えることができます。
登山時のカロリー消費は普段の生活の比にならないほど高いです。その平均消費カロリーは「体重×0.155kcal」と言われ、体重60キロの男性が標準的な傾斜の山を3時間くらい登った場合は約2000kcalの消費となります。3時間の登山は山になれてきた人なら普通に歩いて行ける時間で、登山上級者というわけでもありません。更に下山時を含めた場合や傾斜の急な登山となる場合には更に多くのカロリーが消費されます。
カロリー消費と言えばダイエットを思い浮かべますが、カロリーを消費した状態での登山は危険です。疲労した状態では運動量の低下や思考力の低下が重なり、状況に応じた判断や動きができなくなり、最悪動けなくなって遭難してしまいます。登山をする時は登る前からのカロリー摂取も計算して行きましょう。
筋力の向上
登山をすることは主に足腰の筋肉が鍛えられてます。重い荷物をザックに入れて歩くだけでも日常生活と比べ高負荷がかかり、山の斜面を登る運動で足腰の強くなります。
足の筋肉は大腿四頭筋などの大きな筋肉が集まり、それぞれ鍛えることで、先ほどの記載した基礎代謝が向上して引き締まった体になりやすく、筋力体力が付いていくと普段の生活でも疲れにくく、登山以外でのメリットが多くあります。足腰を鍛えて健康な生活を手に入れましょう。
登山と健康 〜脳を鍛える〜
体を動かすと脳を鍛えられる
登山はスポーツです。体を鍛えられて基礎代謝が上がり、健康面において良いことが多くあります。もう一つのメリットは体を動かすと脳を鍛えることがわかってきてます。体を動かすと人の前頭葉が発達して感情を抑制する機能が発達します。イライラしたり不安になったりすることもコントロールでき、負の感情を軽減できる効果を発揮します。
何故運動をして脳を鍛えられるのか?参考にしたのはこちらの書籍”運動脳”がわかりやすく解説をしています。
運動と脳の働き
【ストレス緩和】
登山(運動)してるあいだは脳内でコルチゾールという物質の分泌量が増えて脳にストレスを与えています。このコルチゾールは運動を終えると分泌量も減るようになっていて、日常生活で受けるストレスでもコルチゾールが分泌されます。
定期的に運動を行う人は、運動以外で出るコルチゾールの分泌量が減少していき、ストレスに耐性がつき、結果としてストレスを受けてもコルチゾールの分泌を抑えられ、ストレスに強い体質になっていきます。
イライラしやすい人は日頃から体を動かし、コルチゾールの分泌量を減らす体質にすると改善されます。体を動かすことは気分が良くなるだけでなく、ストレス自体に強い脳に鍛えられます。
【前頭葉と海馬の働き】
脳内の海馬と呼ばれる部分はストレスにブレーキをかける働きがあり、運動することでこの海馬を強化できます。つまり感情をコントロールする力がこの海馬にやって決まります。
運動は同時に前頭葉も鍛えられて、海馬同様にストレスにブレーキをかける働きがあります。その他にも理性を高めて論理的な思考力が向上しイライラを抑える能力が備わっていきます。こちらも感情のコントロールに運動が関係してくるのです。運動をして海馬と前頭葉を鍛えましょう。
【脳内物質BDNFの凄さ】
脳内物質にBDNFという物質があり、これは脳内の細胞を守り新しい細胞の成長を促進させます。また脳内の伝達を強化して記憶力や学習能力を向上させてくれます。
更に脳の老化を遅らせてくれるなど色々な働きを見せてくれるBDNFは運動によって生成されます。中でも中強度程度の運動を長時間行う事で、より多くのBDNFが生成されます。長時間歩行する登山においてはこの効果を最大に発揮してくれます。
意欲低下やうつ予防などにも効果的で、まさに脳を健康にする為の物質と言えます。運動することで脳を鍛えて体と精神を守る効果が抜群です。どんな薬を処方するよりも運動が脳に与える影響が優れていることが最近の研究でわかってきています。ストレスの多い現代において運動することは健康維持に欠かせないものとなります。
登山と健康 〜心を癒す〜
森林浴の効果
自然の中に入ると五感を通じて癒しの効果を実感できます。山の中で視界に入るものは限られています。現代社会では目に入る情報が多すぎて脳が疲労します。自然の中で聴こえてくる音は風の音や水の音や鳥の鳴き声など、人が聞いて癒しを感じるものが多く、リラックス効果があります。山の中にいるだけで既に疲れを癒やしてくれるのです。
森林浴が人体にもたらす効果の秘密はフィトンチッドと呼ばれる物質です。植物が出す殺菌作用や消臭作用がある物質と言われ、森林の香りをかんじるのはこのフィトンチッドだと言われます。この香りに人はリラックスできる効果があります。更にフィトンチッドには免疫向上の効果があるとされ、体の内面からも守ってくれるので、森林浴は健康メリットが多いです。
登山は疲れるイメージが強いですが、こうして自然を全身で感じながらゆっくりとマイペースに行動し、リラックスして登山をするのも楽しいものです。
雑念をはらうマインドフルネス
マインドフルネスという言葉を聞いたことはありますか?マインドフルネスとは、瞑想を通じて自分の意識の状態に注意を払い、今この瞬間に集中することで、心を落ち着かせる方法です。また、自分自身や周りの環境に気づくことで、自己理解を深めることができます。瞑想を中心にした方法です。
登山をしていると頭の中から雑念が消えて自然と瞑想状態になることがよくあります。マインドフルネスをおこなうことでのメリットは、ストレス解消、集中力の向上、意識の深化が挙げられ、自分を客観視できる力が備わり、感情に振り回されず、自己肯定感が高まり常に落ち着いた行動をとることができるようになります。
登山では目や耳から入ってくる情報が日常より少なく、歩くことに集中します。始めのうちはあれこれ考えたり、退屈だと思うこともありますが、登山を続けるうちに自分の心が”無”になっていくことに気が付きます。歩きながら瞑想状態になり、自分の脈拍や肌に触れる空気の感覚や地に足を付く感覚が自分と同化していくような状態になり、集中力が高まっていきます。
自然の中で感じる音、匂い、視界など5感で感じる癒しの効果で体の中から。特に精神的なデトックス効果を実感できます。
登山は歩きながらマインドフルネスを実行し、運動による体力、筋力の向上と肉体と精神の両方を鍛えることができるスポーツです。
登山と健康 〜まとめ〜
登山のメリットは人間の健康と深く関りがあります。肉体と精神の両方が健康でなければ本当の健康とは言えません。精神の病は現代社会の問題点です。
登山は初心者から上級者までその人に合わせた楽しみ方ができる趣味です。初めはゆっくり歩いて風景を楽しんでいたものが、岩山登りや雪山登山、テント縦走など、体力技量に合わせて変えていけます。新しいスキルを身に付けたら新たな挑戦ができるのも楽しみです。
登山をすることは生活習慣の見直しにもなり、規則正しい生活を意識するようになります。登山をする上で基礎体力は重要な課題です。登山を楽しむ為に基礎体力を付け、登山によって更に体力が付く。長時間の歩行で基礎体力と基礎代謝を向上させることで、生活習慣病の予防になります。
また自分自身を見つめ直すには十分な時間が取れ、今ここに集中する事ができ、不安や不満が消えていくのが分かります。将来の不安ばかり考えても何も変わりません。今できることを考えます。
登山は今この時間歩くことに全力で集中します。頭の中の雑念を消すことは意外と難しく、登山はその訓練になります。
無の状態になる事は大切な時間で日常生活ではなかなか感じる事ができません。マインドフルネスの効果も実感でき、心も体もリセットされて前向きな思考に変わっていくでしょう。
森林浴の効果が体の内側からも健康になりリラックス効果で精神の安定、リフレッシュすることでストレスの緩和に抜群の効果を発揮します。
体を動かすことで脳を鍛え、脳を鍛えることで科学的にも健康効果がわかってきています。行動的な自分になることで、多くのチャンスが巡り、未来も変わり、新しいことにチャレンジできる。
登山は多くを学び、心技体を鍛え上げ、未来の自分を良い方向へ導く最大の自己投資と言えるのではないでしょうか?
”登山をいつ始めますか?”
”見たい景色はまだ見ぬ景色”自分が登山をする理由はここにあります。新たな挑戦は楽しいものです。新しい景色を見に行きましょう!