この記事でわかること
- ストック(トレッキングポール)を使うメリット
- フィールド別・シーン別の活用テクニック
- 選び方&メンテナンスのポイント
はじめに|なぜストックを持つべきか?
「荷物になるだけ」と敬遠する人もいますが、正しく使えば膝や腰の負担を30%以上軽減できると複数の研究が報告されています。ストックは“登山のサポーター”として投資価値が高いギアです。上りでは体力温存になり、下りでは膝の負担軽減になるアイテムです。
ガレ場などではバランスを保つのに重宝し、安全面の確保にも役に立ちます。単独でペースが上がりやすい状況でもストック使用時はペースを一定に保ちやすく、安定させることもできます。賛否はありますがストック使用はメリットが多くあります。
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オススメ活用シーン5選
# | シーン & テクニック | 効果 |
---|---|---|
1 | 岩場・ガレ場でのバランス保持 ストックを体のやや前方に突き、一歩先の支点を確保する | 上半身とストックで3点支持を作り、滑落・転倒リスクを大幅低減 |
2 | 長い下りでの膝負担軽減 肘を軽く曲げて突き、衝撃を腕へ分散させる | 大腿四頭筋だけでなく上肢筋も使うため膝の痛み・翌日の筋肉痛を防ぐ |
3 | 急登でのペースメイク 左右交互に突いてリズム歩行(“ダブルポール・ウォーキング”) | 呼吸が整い心拍の乱高下を抑制、結果として持久力アップ |
4 | 雪渓・川渡り・ぬかるみの安全確認 地面に突き刺して深さや硬さをテスト | 「踏み抜き」「滑落」事故の予防、特に残雪期や渡渉ポイントで有効 |
5 | マルチツールとして再利用 ・テントやタープのポール代わり ・写真撮影の簡易モノポッド ・応急処置の添え木 | 荷物を減らしつつキャンプ&撮影&ファーストエイドにも対応 |
さらに快適に使うコツ
項目 | ベストプラクティス |
---|---|
長さ調整 | 平地=身長×0.66、登り=5cm短く、下り=5cm長くが目安 |
ストラップ | 手首から通し、手のひらを乗せて“押す”ように使うと握力を節約できる |
先端チップ | 岩場=ラバーキャップ、土・雪=カーバイドチップ+バスケット |
折りたたみ | ガレ場の“手を使う登攀”前にザックへ収納できるZポール式が便利 |
メンテ | 山行後は分解→水洗い→乾燥。ロック機構に砂が噛むと破損の原因 |
ストック選びの3ポイント
- 素材
- カーボン:軽量・衝撃吸収◎/価格高め
- アルミ:耐久性◎・コスパ良/やや重い
- ロック方式
- レバーロック:冬でも手袋で調整しやすい
- スクリューロック:軽量だが砂噛み注意
- 収納サイズ
- テント泊や飛行機遠征なら40cm以下に畳めるモデルが便利
よくある質問(FAQ)
質問 | 回答 |
---|---|
Q. 2本必要?1本でいい? | 負荷分散目的なら2本が基本。撮影時など片手を空けたい場合のみ1本。 |
Q. ストック使用は“ズル”じゃない? | 体力温存=安全確保。経験者ほど積極的に使っています。 |
Q. 国内の低山でも必要? | 里山こそ階段や舗装の下りが多く膝にダメージ大。積極的に活用を。 |
まとめ|ストックは“第三・第四の脚”
登山の目的は「苦労すること」ではなく安全に山を楽しむこと。ストックを上手に使えば、
- 膝・腰の負担を軽減してケガを防止
- 歩行リズムが安定し、息切れしづらい
- 荷物削減・応用力でテント泊や撮影も快適
8年間・月2回ペースで北アルプスと八ヶ岳を歩いてきた筆者にとって、ストックは靴・ザックと並ぶ三種の神器。私の愛用はアルパイン フォールディングポールです。折り畳みができてコンパクトになり、軽量で使いやすいです。岩場以外ではほぼ使用しており、特に下りの場面で膝の保護に活躍してくれます。
まだ導入していない方は、次の山行までにぜひ一本(できれば二本)手に取ってみてください!